母屋にようこそ。ここは隔週で更新します.古い記事は三ヶ月ごとに納戸に入ります。ゲヴュルツトラミナーの話をご覧になりたい方は左の目録の「廚の話 第二回」をクリックしてお入り下さい。


第一回 サンフォード・ピノの話ー和食に合うワイン(謙ちゃんのワイン談義)

サンフランシスコはカリフォルニア・ワインの産地に近いと言うか、今やカリフォルニア、いや西海岸全域にワインの産地が点在しているため、産地のほとんどド真ん中と言っても良い所にあります。こんな所に住んでいると(おまけに飲み助の春海坊とつるんでると)興味は自然とワインに向っていきます。一口にカリフォルニア・ワインと言ってもピンからキリまであり、ワイナリーから直接買っても一本600ドルする高級ワインから一本2ドルのジャグ・ワインまで様々です。あ、言っときますけど安いワインは超強烈な二日酔いになりますぞ。


さてワインは基本的に料理と一緒に楽しむもの。料理とワインの相乗効果で楽しく、美味しく、口滑らかに仲間との話も弾む、ということですな。香ばしく焼いたラムにどっしりしたジンファンデル、葡萄を詰めた鶉のローストにコクのあるカベルネ・・・なんて冗談じゃない、ンな事続いたら繊細なる胃ももたないし、だいたい家計が崩壊してカミさんに怒られる。下手すりゃ「このゴクツブシ!でてけー!」なんて言われかねない。いやいやご心配なく。庶民の味方の、和食おかず料理に合うワインもちゃんとあります。


僕がサンフォードのピノ・ノワールを見つけたのはワイン・オークションに出没する様になって8年目。オークションじゃ一本何百ドルもするワインが競り落とされていくけれど、ンなもん一般庶民の僕に手が届く訳も無いし高けりゃ良いってもんじゃない(投資のためなら別ですがね)。手頃な値段で高品質のワインを見つけるのが賢いやり方です。サンフォード・ピノはこの指向にばっちり嵌った。何本か買って来て、最初に一本開けた時はウチの夕食が牛肉と隠元のソテーか何かだったから当然文句無し。二本目を開けた時にはカミさんが作ったのは「トン汁」だった・・・何考えとんじゃい、飲んでるものはワインだぞ、トン汁って味噌汁みたいなもんじゃないか!だって作っちゃった夕食これしか無いもの、と言われて仏頂面で食べ始めたら、待てよ?意外とイケルではないか。「トン汁」とワインが合うなんて驚いた。以来、焼き魚、煮魚、納豆やらウメボシまでワインとの相性を試してみた。さすがに試したいくつかは最悪のコンビとなったし(納豆と塩辛)、ワイン通に聞かれたら石ぶつけられる様な事してるけど、結論、和食はワインと合います。普通のみそ汁だってワインと合う。考えてみればワインを古代に大量消費してたローマ帝国にも和食みたいな焼き魚ってあったよな。それにアルザスの豚肉とザウアークラウト使った料理だって味噌汁の酸味と共通するものがあるし。とにかくこのサンフォード・ピノは僕のワインと料理のコンビネーションに対するイメージをがらっと転換させたワインです。同じピノでもブルゴーニュのピノと違ってアルコールがそれほど強くないし、フルーティーなボジョレーみたいに和食と対極にあるような味と香りで人を混乱させる事も無い。和食好きにとって頼もしいワインです。

 

これがサンフォード・ワイナリー・アンド・ヴィンヤーズのピノ・ノワール。カリフォルニアのサンタバーバラで作られているワインです。

サンフォード・ワイナリーのリチャード・サンフォード氏はピノ・ノワールの草分け敵存在。だからここのピノは美味しいのかも知れない。

サンフォードのピノと言っても全てが同じ所で作られている訳ではなく様々なヴィンヤード(畑)で作られています。値段も葡萄が収穫された畑によって様々です。
僕らは一本25ドルから30ドルのものを毎年2ケースほど買って、5年ほど寝かせてから飲んでいますけれど、すぐに飲んでも美味しいですよ。


ワイン・メモ
ピノ・ノワールの故郷はフランスのブルゴーニュ地方。カリフォルニアではソノマ、ナパ、モンタレー、サンタクルーズ、サンタバーバラなどの気候がこの葡萄に適している所で、山の上の方で育った葡萄の方が低い所で育ったものより質が良いそうです。

カリフォルニアでは人種も様々だけれど、ワインの種類も様々。今やフランス系、イタリア系、ドイツ系の葡萄の殆どの種類がカリフォルニアで作られています。とにかく種類が多すぎて、ワインを買う時に葡萄の種類、価格、ヴィンテージ、ワイナリーの名前やワイン・ショップの人のアドヴァイスを参考にしても、自分の好きなワインを見つけるのは結構大変です。僕は見知らぬワインで良さそうなものに出くわした時は「ワイン・スペクテイター」のワイン評などを参考にしています。

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